Your smile once again
昼休み、私は屋上で牧田悠季を待っていた。


早く帰りたくてイライラしていた。


「ごめん!待った?」


茶髪の背の高い男子が声をかけてきた。


「俺が、牧田悠季。急に呼んでごめん」


「ごめんなさい。さようなら」


私は一言そう言った。呆然とする牧田を置き去りに方向転換した。


「ちょ……っと!待てよ!」



私の手首をガシッとつかんだ。


その手の大きさと力の強さに、私は不覚にもビクっと反応してしまった。
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