Your smile once again
「触らないでよっ!」


手を振り払う。


「わ、悪い!」


私の反応に驚いたのか、牧田は手を離した。

「私は、アンタが思ってるみたいな奴じゃない」
「俺まだ何も言ってないよな?」

牧田は私を真っ直ぐに見つめてきた。

私は、拍子抜けした気分になった。

取り合えずめんどくさくなって、ベンチに座った。

牧田が離れて座る。


「俺は確かに、琴那が好きだ」
「気安く呼ぶな」


コイツは変なやつだ。確信した。


「だけど、付き合おうとは思ってないわけだ」



こっちからお断りだ。


言わないでおいた。


「じゃあ、なんなの?」
「琴那」


呼ぶなっていってるのに。私はうんざりした。

「俺と友達になろう!」
「……は?」
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