Your smile once again
「寄ってくる男はね、"可愛い彼女がいる自分"が欲しいだけなの!」
「落ち着け」



牧田は肩を激しく上下させる私の頭に触れた。


「触んなって、言った、でしょ」


なぜか自分が泣きそうになっていることに気づく。


「ーーーッ。あんたなんか大ッ嫌い」



「うん」


「わかったでしょ。私は嫌な女なの。分かったら、帰って」



「うん」


ドンッと力の入らない腕で、牧田の胸板を叩く。

「……ごめん」


牧田が小さく呟いた。
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