Your smile once again
始めてだった。

誰かにこの事を話すのは。


笹原にさえ、話してないのだ。

ただの気まぐれだ、多分。

自分も何か話さないとフェアじゃ無いと思ったのかもしれない。

「……そっか」

「うん。でも別に、同情されたいわけでもないから。何も言わないで」

私はスカートをはたきながら立ち上がった。

「じゃあ、帰る。

……もうついてこないでよ」


さすがの牧田も、ついては来なかった。

「琴那!」


後ろから追いかけてきた声に私はまた、あきれながら振り返る。

「だから……」

「悠季だよ!」

「はぁー?」
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