Your smile once again
低い声と共に、腕を引かれて少し後ろに下がった。

倒れそうになる肩を支えられた。

頭に、何かが乗る。

笹原の腕だ。私を肘置きにしてる。

上を見上げようとしても、頭が上がらないから笹原の表情が見えない。


ーーー怒ってる?

声のトーンが違ったからだろうか、そう感じた。


「笹原、コイツの事は気にしないで。ただのストーカーだから」

私が悠季を軽くにらみながら、言った。

悠季は、笹原に冷たい視線を送っている。

「俺、牧田悠季。お前が、笹原?」
「……そうだけど?」
「俺は……」


悠季が言いかけたとき、ちょうどチャイムがなった。


笹原は、私から手を離し、席へと戻った。
< 69 / 366 >

この作品をシェア

pagetop