Your smile once again
私はいつもの河原に向かう。


そこで毎日ただただ、ボーッと夜空を見上げている。
だから、自然に星座を覚えていたりする。


そしてーーー。


「「あ」」


コンビニ袋をぶら下げた笹原に会ったりする。


私の姿を見て、一瞬固くなった笹原だけど、すぐに肩の緊張を解いた。そして、あきれたようにため息をついた。


「夜は危ないからやめろって言ったろ?」


私はそっぽむいた。


「……ったく」


もう一回ため息。でもまた微笑んで、私のとなりに座った。

「今日はどうした?」


優しく、聞いてくる。


毎晩のように、ここに来ているから。


私は、とにかく何か話したくて。

すこしでも楽になりたくて。

言葉のかけらを、繋ぎ合わすように話し始めた。


「……忘れたいことがあるのに、忘れられない。
気を抜くと、思い出しちゃう。」

なにも、考えたくないのに。

「うーん。俺も、あるわ。そーゆーの」
「……うん」



「まぁ、ほら。そーゆーときはあれだ。俺とか、萩原とか、相澤とか……思い出せばいいんじゃねーの?佐々木が、安心できるものをさ。わりぃ。うまく言えねーわ」
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