Your smile once again
胃の奥から、熱い物が込み上げる。


吐き気は収まったものの、手がまだ震えていた。

息が苦しくて、目の前がぼやけてしまう。


私は、リビングに駆け込んだ。

辺りを見回すと、机の上にハサミが置いてあった。


私はそれに手を伸ばした。

その場に座り込み、自分の手首を傷つけた。


そこから溢れた赤いものが滴り落ちる。


思わず目をそらす。

「はぁ……っ」

取り合えず、一旦落ち着いた。

恐ろしかった。

もう平気だと思って見たのに。


カタカタと体が震える。

私はまだ過去に囚われ続けている。



……涙が溢れた。


カシャン、床に落ちたハサミは小さく音をたてる。


私は、前に進めないのだろうか。

何もかも分からなかった。

「……笹原……っ!」




助けて。
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