Your smile once again
「だからっ!いちいち触る……ぅわっ」



そのまま、腕引かれて傾いた私の体は、
悠季の腕にすっぽりと収まった。

「……悠季!やっ。離して」


慌てて離れようとするが、もがくほど強く抱きすくめてくる。

悠季の胸を押した。


苦しくて息が詰まった。


力で敵うはずないじゃん、バカ。


「離して」

「やだ」


ゆっくり後ろに下がろうとしたが、
背中はドアにくっついている。



私が、名前を呼ぶと悠季が少し力を緩めた。


「と、友達は……、こういうことはしないでしょう?」


私は苦し紛れの言葉を吐いた。


一瞬の沈黙。

そしてーーー、
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