Your smile once again
「ーーーップ」



悠季が吹き出した。

スッと手が離れた。


解放された私は、唖然とする。


ポカンとする私を無視して弾けたように笑い出した。



「ハハハッ!そうだな、ごめんごめん!友達だったな!」

「はぁっ!?何がしたいわけ!?」


「ごめんって!」

悠季が少し悲しそうに、私を見つめた。

まっすぐな視線に、私は顔をそらした。


私の顔は多分、赤い。

「照れてる?」


「んなわけないだろ、バァカ!」

私は思わず怒鳴った。口調が乱れる。


「口調が荒いよ、琴那ちゃん!」


「死ねば?」

悠季がまた笑い出す。


私は、恥ずかしくて部室から逃げ出した。


「悠季のドM!!!!」


我ながら変な捨てぜりふだったと思う。
< 86 / 366 >

この作品をシェア

pagetop