Your smile once again
アイツの意味不明な行動のせいで、午後の授業に集中できなかった。
図書室でぼんやりと考え事をしていた。
ーーーもう、部活終わるかな。
そもそもわたしたちは一緒に帰る約束をしているわけではない。
一年の頃、
ギリギリまで居残ってた私に危ないから、
という理由でついて来たのが始まりだ。
「早く終わった」
笹原は、いつも突然に私の前に現れる。
「お疲れ」
時計を見ると下校まで三十分以上あった。
「佐々木?」
「うん?」
私は本棚に向かいかけた足を止め、笹原を振り返る。
「お前さ、……母親ーーー」