ボーダーライン
「なんで私とここに?」

私は握られた手をそのままにするべきか迷いながらアキにきいた。

「…笑わない?」

アキはちょっと首をかしげて小さな声できく。

「笑わない…と、思う」

私のどっちつかずの返事にアキは微笑んだ。

「あのね。あなたのことが好きだから」

何を言われたのかいまいち飲み込めないままの私に、暗くなってきたから帰ろうか、と言ってアキは歩いてきたゆるやかな坂道を歩き始めた。
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