【続】恋愛のやり直し方
それは、バラバラだったパズルのピースがピタッとはまっていくようだった。



もしかすると、えりさんの言っていることは大枠を外していないのかもしれない 。



友田の実家は旅館で、友田は一人息子。


跡取りはどう考えても友田直樹しかいない。





彼の意思に沿ってるか、反しているかは分からないけれど、友田もそれを承知している。



彼が緑風館を継ぐということは、彼の結婚相手はもちろん『女将』を担うことになる。



そして、彼の前にいる私にその役目ができるかというと………





できるわけがない。





人と接することを最も苦手とする私が、人を喜ばせることを生業とするなんて自分が一番無理だってわかる。




それを、友田は悩み続けていたのではないだろうか。




もしかしたら、どう別れを切り出そうかと悩んでいたのかもしれない。





そして、その事情を汲んだ彼のご実家は、私の生い立ちをネタに友田に私との別れ話を進めさせようとした……
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