【続】恋愛のやり直し方
彼のこんなにトゲのあるものの言い方を聞いたことがない。




目の前にいる立花さんの存在を完全にシャットアウトし、私に説明を求める。





だけど、私だってその意味を立花さんに聞きたい。




「た、立花さん。あの……」




繋がれた手を引っ張りながら、立花さんの顔を見ようと少し前に出る。


だけど、すぐにまた私の前を遮るように立ち位置を変えた立花さん。




「立花さん?」




ますます意味の分からない行動。





「綾、俺はお前に聞いてるんだけど」






私の行動を、立花さんに助けを求めていると勘違いしたのだろう。友田は、ますます苛立った声を私にかける。




低くて冷たい声

私を責めるような声




ドクンと大きく脈打ったのが分かった。




耳の奥でキーンと一鳴りする。




ギュッと唇を噛み締める。





ダメ。
ここで逃げてちゃダメ



自分を奮い立たせるように心の中で叱咤する。




それに気付いたかのように、立花さんが、繋ぐ手の力を少しだけ強くした。




それはまるで『大丈夫だよ』と言ってるかのように。






「ハッ。お前、バカなの?綾を迎えに来たって言っただろ」




立花さんのスイッチが入った。




友田をバカにするように挑発する。




一瞬にしてピーンと張り詰める空気
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