【続】恋愛のやり直し方
「着いたら起こしてやる」

立花さんの声を最後に意識は遠退いた。




.・。*゜・.,*。・°


「また明日来るね。何か持ってくるものある?」


「ううん。何もないわ。それより、綾、顔色が悪いわ。疲れてるんじゃない?無理してーー」



「大丈夫。顔色が悪いんじゃなくて、美白よ美白。お母さんこそ人の心配して、また不整脈が出たら退院が延びるわよ」



追求を免れたくて、母の言葉を遮った。


人の体調に敏感な母が、そんな事で納得するハズもないけれど、私は、精一杯微笑んで病室のドアを閉めた。




ドアが全て閉まる瞬間、チラリと見えた母の淋しそうな顔にチクリと胸が痛む。





今日もまた母に聞けなかった……。
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