【続】恋愛のやり直し方
『あの看護部長の一人娘なんだ。どんなにか優秀なのだろう』



心の呟きはそのまま私を値踏みするような視線にのせられている。




そんな視線に会うたびに、どんどんと卑屈な気持ちで心が、満ちていく。




だから、できるだけ人と会わないようにエレベーターは使わない。


面会も看護師達の休憩時間で人手が少なくなった時間を狙う。



自分でも思う。


どこまで卑屈なんだ。と。



変わろうとしてるのに、思いだけが先走り、見合わない現実にため息をつく日々…





明日こそは……




そう。
私が立花さんにもらった期限は明日。



自分で解決できるのは、明日が最後のチャンスだ。





ここ数日ずっと考えてる。
どう切り出せば母を動揺させずに聞き出せるのか。




そして、それを考える時必ず浮かぶ友田の顔。



彼ならそんな言葉、すぐに浮かんでしまうだろう。





「バカみたい。もう頼れるわけないのに……」




そう自分に言い聞かせて絶望するのも何度目だろう。


足取りも重く、家までの道を歩いていた。
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