【続】恋愛のやり直し方
まっすぐ家に帰る気にはなれなくて、川沿いの道をブラブラとしたり、あてもなく最近できたショッピングモールを歩いたりした。



途中立ち寄った本屋で、平積みされた友田の新作に目が止まる。




原稿に私のことが書いてあって、竜くんにからかわれて、友田に怒って……




ついこの前の出来事のようにも、随分と昔の事のようにも思える。



だけど、鮮明に浮かぶのは、少し意地の悪い友田の笑い顔。




ーー本屋になんて寄らなければ良かった。





蓋をしていた気持ちに、歯止めがかからないくなる。







会いたくて

声が聞きたくて

触れたい





叶わないものは仕方ない。
諦めるのはなれている。


なのに、いつかこの気持ちも『そんな事もあったな』なんて苦笑いしながら思い出せる日がくるなんて想像できなくて



それどころか、この気持ちはこの先も一生私の心に燻り続けて、私を苦しめ続けるんじゃないかって いう確信に近い恐怖。



未練がましくも、平積みされてた一番上の本を一冊手に取りレジへと向かった。
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