【続】恋愛のやり直し方
家が見える頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。


都会と違い、夜は人通りもない。




街灯もない川沿いの道をトボトボと一人あるいていると、僅か先の我が家の前に物陰が見える。




少し歩を進めてから目を凝らし、物陰の正体を探る。





「……っ」




視界にその正体をとらえた瞬間から、急激に早まる鼓動。



さっきまで空っぽだった頭の中が急に騒がしくなる。





落ち着け見間違いか、他人かもしれないと言い聞かせても無駄なことは分かってる。



こんな田舎にあんな目立つ外車の四駆車に乗ってるなんて珍しすぎる



間違いないと確信した瞬間、あっちも私を確認したらしい。




パッパと短く光ったヘッドライト。




確信。



次の瞬間、私の体は反射的に回れ右して走る。



さっきまであんなに会いたいなんて思ってたのに……



つくずく矛盾している。
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