【続】恋愛のやり直し方
その言葉にハッと気づく。



いくら陽が落ちて人通りがない路地だとはいえ、ここは地元だ。



顔見知りばかりのここで息もできないほど強く抱き締められるとか……




誰かに見られたかもしれないと思った瞬間から、顔の温度が尋常じゃなく上がってる。




考えるより先に友田の手を取り歩き始めていた。




クスリと友田が笑って気がついて、握っていた手は離したけど。




さっき走った道のりを無言で戻る。



都会では考えられないほど静かなその道を、私とすぐ後ろを歩く友田の足音しか聞こえない。



辺りの静寂さとは逆に、私の頭の中は騒がしい。




友田がどうしてここにいるのだろうか……


もしかして、立花さんの言う通り決着をつけて私を迎えに来てくれたのだろうか。




心の中に希望の灯りを点して、慌てて消す。




期待して反対の結果だった時にダメージが大きい。
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