【続】恋愛のやり直し方
夏も終わりとはいえ、半日締め切っていた家の中はムワッと籠った空気で満ちている
「どうぞ」と中へ入るように促し、先に居間へ入り窓を開ける。
背中で「お邪魔します」という友田の声を聞きながら、違和感を感じながらクスリと笑みが溢れる。
母と私の部屋と客間がひとつ。
居間とダイニングの小さな平屋は、2つ窓を開ければそれで十分だ。
心地よい川風が部屋の中を抜けていき、
その風に乗ってフワッと薫るマリンブルーに、胸がキュッとする。
「……」
突然グラッと揺れた体は、マリンブルーの香りに包まれていた。
「綾……」
切なげに囁かれた名前。
首もとに埋められた吐息。
さっきあんなに力強く抱き締めたのが嘘のように弱々しく遠慮がちに回された背中の腕。
その全てが愛しくて、私の体と心を刺激する。
蓋をした感情が溢れ
必死で作り上げた壁がガラガラと崩れていく。
自分を守るために長い間築いてきた壁が跡形もなく取り払われた瞬間
さらけ出された私の中身。
スーっと風が抜けていくような感覚。
「どうぞ」と中へ入るように促し、先に居間へ入り窓を開ける。
背中で「お邪魔します」という友田の声を聞きながら、違和感を感じながらクスリと笑みが溢れる。
母と私の部屋と客間がひとつ。
居間とダイニングの小さな平屋は、2つ窓を開ければそれで十分だ。
心地よい川風が部屋の中を抜けていき、
その風に乗ってフワッと薫るマリンブルーに、胸がキュッとする。
「……」
突然グラッと揺れた体は、マリンブルーの香りに包まれていた。
「綾……」
切なげに囁かれた名前。
首もとに埋められた吐息。
さっきあんなに力強く抱き締めたのが嘘のように弱々しく遠慮がちに回された背中の腕。
その全てが愛しくて、私の体と心を刺激する。
蓋をした感情が溢れ
必死で作り上げた壁がガラガラと崩れていく。
自分を守るために長い間築いてきた壁が跡形もなく取り払われた瞬間
さらけ出された私の中身。
スーっと風が抜けていくような感覚。