【続】恋愛のやり直し方
握られた手に力が籠った。



真っ直ぐに私を見つめる視線は、聞く覚悟はできたか。と問うているように思えた。



そっと瞳を閉じて、スーっと大きく息を吸う。



もう逃げない。



長い間築いてきた壁は崩された。



さらけ出してぶつけた友田への気持ち──



瞼を上げ、真っ直ぐに友田を見つめ、『大丈夫』という気持ちを込めて深く頷いた。




フッと口の端を上げて笑った彼の顔に、どうしようもなく胸がざわつく。



どうしてこんなに好きになってしまったんだろう。




一度解放してしまった感情は、こうも容易く外へと流れ出てしまうものなのか。



これから神妙な話を聞くというのに、自然と緩んでる顔を引き締めるために、ペチペチと軽く頬を叩く。




あぁ、もう何やってんの私。
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