【続】恋愛のやり直し方
ムスっとしたまま無言でキッと睨み付けるように竜くんへ視線を向ける。


すると、遂に観念したとでもいうように両手を小さくあげた。




「白状しますけど、引かないで下さいよ?俺にとってはかなり情けない話ですから」




目尻を下げて困った顔をする竜くんは、やっぱりかわいい弟キャラだ。



話す前から情けない顔に、思わずクスリと笑ってしまいそうなのをグッと堪えて、ウンと頷く。



それを確認した竜くんはフーッと大きく深呼吸をひとつしてから話始めた。




「綾さんとセンセがどのくらいまで進んでるのか探りたかっただけです。もう結婚の話も煮詰まってる段階ならお手上げですから。


センセの方は一秒でも早く結婚したいってのが手に取るように分かりますけど、綾さんの気持ちが見えなかったんで、探りを入れるしかなかったんですよ」




頭をガシガシかきむしる竜くん

その姿をボーッと見つめながら、何も言い出すことができずにいる私をみて「参ったなぁ」と苦笑する竜くん
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