【続】恋愛のやり直し方
不覚にもドキンとしてしまった。

いけないいけない。
今、心の隙を否定したばかりなのに




「そんな顔しないで下さいよ。これでも俺、随分自制してるんですからね。

俺が綾さんを幸せにするのがベストなんですけど、それが叶わない今、綾さんにはちゃんと幸せになってもらわないと困るんです。


いつまでも綾さんが揺れてると、俺も次へ進めませんから。



あんまりグダグダ揺れてると、今度は本気で綾さんを奪いにいきますよ」


挑発的な顔をした竜くん。


それは、さっきまでの『かわいい弟』ではなく 、獲物を狙う狩人のようだった。



あぁ、竜くんも男だったんだなと実感するのと同時に、本能のように身構えた。



たぶんそれが咄嗟のことであからさまだったんだと思う。



竜くんは、そんな私に苦笑している。


「綾さん、安心してください。こんなとこでコソコソ口説いたりしませんよ。それは俺のポリシーに反します。口説くならちゃんとセンセの前で正々堂々しますから」
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