【続】恋愛のやり直し方
それに私が同じくらい返すことができるのかは正直自信がないけれど、繋がれたこの手を信じ続けようと思う。



もう二度とこの手から逃げることは無いんだって、友田に安心してもらえるように……




ピピッとロックを解除する音がして、ドアが開けられる。




すごく自然に助手席に私をエスコートした彼が、足早に運転席に乗り込むと、エンジンをかけ、すぐに発車する。




明らかに急いでいる様子。


いつも「行くよ」と声掛してから発進させる彼には珍しい行動に、少し違和感。





診察時間でもない病院の駐車場はそれほど混みあってなくて、疎らに駐車されている。




それらの車の間を、ショートカットしながら、駐車場の出口とは反対側に進む。



「どうしたの?出口あっちだよ」



「ん。知ってる」




私の質問にそれ以上答えず、車を走らせる友田の視線は、真っ直ぐ前を向いていて、確かに出口が分からず迷っている様子ではない。



そして間もなく、広い駐車場の端も端、倉庫のような建物の影になっているスペースに車を頭から停めた。
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