【続】恋愛のやり直し方
エンジンが止まると、私のシートベルトはスルリと外された。



再び外へ出るのかと、膝の上に乗せた鞄を掴むと、今度はその鞄を取り、後部座席へと放り、



それから、手を私の両肩に軽く乗せて、自分の方へと私を向かせた。



向かい合わせになると、ごく自然に視線が合わさる。



微笑む視線が、冷たくなった私の心を温めてくれるようだ。






「よく頑張ったね」



そう言って私を引き寄せた。



決して強くもなく、弱くもなく絶妙な力加減で私を抱き締める。



その心地よさは、まるで『日だまり』のように感じる。




ポンポンと規則的に背中を撫でる手。




疲れた体と心に与えられた癒しは、眠気を誘う。




ボーッとなる一歩手前。





耳元に囁かれたのは──









「泣いていいよ」
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