【続】恋愛のやり直し方
纏まりのない、思い付くまま口に出される言葉なのに、友田は全部「うん」と相槌をうって聞いてくれる。



否定でも肯定でもなく、ただ頷くだけ。





だけど、それが心地よくて、言葉は止まらない




「最初から愛されて産まれて来たかった」



「今さら父親ですって言われても困る」


「それを今さら聞かされても……」


「なんでもっと早く言ってくれなかったの?」


「いつも布団の中であの声に怯えてた日々はなんだったの?」


「ずっと淋しかったんだから……」


「こんな性格やだ」


「ホントはもっと自信持ちたい」


「私は……私はここにいるの」




最後の方は、誰に向かって言ったものなのかさえ分からなくなった。












「……ごめん」



「ふっ。すっきりした顔」




涙が空っぽになるくらい泣き、胸の中のモヤモヤを全て吐き出し終え、ふと冷静になると、友田の胸に顔を押し付けるように泣いていたせいで、彼の洋服が見るも無惨なことになってしまっていることに気付いた。
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