【続】恋愛のやり直し方
「待って、俺が行ってくる。綾、外に出るの嫌でしょ?」



シュルシュルとしまわれていくベルトをもう一度引き戻す友田。



「え?あ……うん。じゃあ何か飲み物」



「分かった。待ってて」




ムニュッと私の頬を摘まみ、フッと笑ってから、車外へ出た友田。





その後ろ姿をボーッと眺めながら、これからの事を考える。



母の調子は快方に向かっている。退院も直にできると先生は言っていた。



だけど、退院後も直ぐに元の生活には戻れないらしく、自宅で少し療養が必要らしい。




その後だって今までみたいに仕事が続けられるとは限らない。



母の心臓は爆弾を抱えているようなものだ。



そんな母をひとりにはしておけない。




かといって、誰も知り合いのいない友田の家に連れていくのも、かえってストレスを与えてしまいそうだ。




だとしたら……私がここへ残るのが一番いい。





答えなんてとっくに出ているのに、決断ができない。
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