【続】恋愛のやり直し方
こんな時でさえ「あぁ、この人は私の反応を敏感に察してくれている」と感じる



「竜くんに何か言われたのか?」と聞かれれば、言われた。




だけど、『結婚』というもので友田に安心をあげたいと思ったのは自分の意思。

どう答えよう。




すると、やっぱり私の心の中のを見通せる友田は



「いいよ。綾が思ってること片っ端から言ってみて。こっちでちゃんと整理して聞くから」



と言いながら、横たわっていた私の体を引き起こしてくれた。




「ありがとう……上手く言えるのか分かんないけど…」



「そんなの分かってるし、言葉を扱うのは俺の方が上手いって自負してるから、大丈夫」



ポンポンと頭に乗せられた手



まるで父親が我が子にするような手つき。


私には父親に優しくしてもらった記憶はないけれど………

こうして優しく父親のように接することができる彼は、父親に愛されて育ったんだろうななんて思って、またチクリと胸が痛む。
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