【続】恋愛のやり直し方
昨日まで3日降り続いた雨が嘘みたいに、どこまでも透き通るような青空。



降り注ぐ日差しが心地よくて、眩しさ覚悟で仰ぎ見る。





「やっぱり太陽は眩しい……」



当たり前の事が口をついて出てきた。



「ぷっ。随分、哲学的」



「え?や、違うよ。つい口に出しちゃったの」



眩んだ目のせいで、その表情が見えにくいけど、きっとドキドキするほど優しく微笑んでいるに違いない友田の方へ顔を向ける。




「フッ。そんな必死に否定しなくてもいいよ。綾の行動が可愛くて言っただけだから」



「……」




思わずフフフと受け流してしまおうと思える程ごく自然に私を褒めてくれる友田。



だけど、ハッとこの場所が二人きりではないことに気づき、友田に抗議の視線を向けた。



そんな私の反応をクスリと笑って受け流す。



「もぉ、こんなところで動揺させないでよ」



「なんで?いつも言ってるでしょ。綾はかわいいって。そろそろ慣れたら?」




シレっと再び「かわいい」と言う。



確かに、ほぼ毎日言われ続けて、最近では挨拶みたいなものに感じてきている。


だけど、今だ人気の衰えないイケメン小説家に「かわいい」と大勢の前で言われ、振り返られる私の身にもなってもらいたい。
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