【続】恋愛のやり直し方
高らかに響き渡る鐘の音と共に、重厚なドアがゆっくりと開き、中から赤ちゃんを抱いた竜くんと真理子が出てくる。




「おめでとう」の言葉とフラワーシャワーを浴びて、ゆっくりと歩く3人は、誰も疑うことのない『家族』だ。



血が繋がっているとか、いないとか、本当はそんな形ばかりのものなんて、なんの意味もないのかもしれない。



当人たちが幸せであれば、それが一番。






「竜なら、誰にも負けない本物の家族を作れるよ」



不意に友田がポツリと呟いた。




その言葉に驚いて振り向くと、優しい微笑みで竜くんを見つめている。





「知ってたの?」




「まぁね。あれだけ綾を好きだった竜が、同時に坂下さんに手を出せるはずないだろ?

アイツはそんな男じゃない」




「……」



竜くんの腕の中で心地良さそうに眠る天使が、竜くんの子じゃない事は、私と竜くんのお父さんしか知らない。
< 445 / 486 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop