【続】恋愛のやり直し方
「俺たちも、最高に幸せな式にしようね」



二人を見送りながら、友田が満面の笑みで微笑んでいる。




「え?あ……う、うん。そうだね?」



「ふっ。否定しないんだ今日は」



「え?あ……うん…え?」



「言ったからね『うん』って」





クスクスと笑う友田の横で、何がなんだか分からずポカーンとする私は、多分間抜けな顔をしているはず。




だけど、友人の晴れの舞台を見届けた充実感と、二人から溢れ出る幸せオーラが、伝染したのか、私の心の中も幸福感が満ちてきた。



だから、それ以上何も考えられなくて、ま、いいか。と深く考えることをやめた。







どこまでも広がる青空に、高らかに鳴り響く教会の鐘。


手元のブーケから香るプルメリアの甘い香り。




そっと目を閉じ、空を仰いで何度も深呼吸する。



幸せはこうして、いつだって自覚できるものなんだ。




自分が気付こうとすれば、いつでも感じられる。


それを気付かせてくれたのは、隣で静かに私を待ってくれてる友田だと思う。





そっと目開けると、柔らかな表情で私を見つめる友田がいる。




「どうしたの?」


「ん?今、幸せを感じてたとこ」


「ひとりで?」


「アハハ…ごめんね。一人で感じてた」


「今度は一緒にお願いします」


「フフフ……」



差し出された手に、自分の手を重ねると、ギュッと強く握られる。



それすらも幸せに感じてしまう私は──





呆れるほど『幸せボケ』だ。
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