【続】恋愛のやり直し方
見透かされるのが怖くて、捕まれ手をやんわりと引き剥がしてキッチンへ逃げ込んだ


友田はインスタントコーヒー。
時間稼ぎために、自分にはじっくりと、豆から淹れることにした。


ポタポタと一滴ずつ落ちていく様を見ながら、気持ちを落ち着かせる。



友田の人となりを信用できないんじゃないんだ。

これ以上友田に負担に感じられたくないだけ




作家という仕事は、それでなくてもプライベートと仕事の境目が曖昧な仕事。




だからプライベートで何かあれば、仕事に差し支えるのは目に見えて分かること。


逆もしかり。




今のところ友田が創作に躓いて生活に支障をきたすことは無いけれど、それで自滅していった作家が山ほどいるって真理子が以前話していた。




だから作家はパートナーには選ばないとも付け加えていたっけ………


そう言えば、真理子は私たちの事を、どう思ってるんだろう




初めて友田の所につれてこられた時に、たしか『絶対先生に堕ちない』って紹介されたんだっけ
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