【続】恋愛のやり直し方
一応報告はしてあるけど、「あっそ」の一言で済まされた。



それから何度か食事をしたり、飲みに行ったりしたけど、そのことに一切触れられたことはなかった。



「美味しそうだね。いい香り」




いつのまにかキッチンへ入っていた友田は、私の背後から手を伸ばして、コーヒーと一緒に出そう と置いてあったチョコレートをつかんで口へ入れた。



あっと後ろを振り返った私の唇にふわりと甘い香りのキスが落とされた。




チュッと触れるだけのキスはすぐに離れていった。

不意打ちのキスにさえ高鳴る鼓動に、どれだけ耐性がないのだと自分でも呆れる。


「やっぱり綾は、甘いね 」


そんな私の同様を知らない友田は余裕な顔してそんな台詞を吐く。



一見、ゾワッとするような臭い台詞も、友田の口から出るとドキドキさせるものに変わるから不思議だ



「甘いのはチョコレートでしょ」
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