【続】恋愛のやり直し方
ペコリと頭を下げた友田

あれ?思ってた展開と少しずれている気がする。


「結婚の話、俺からしておいて悪いんだけど、とりあえず無かったことにしよう」


「はっ?」


ここまで考えていたことと真逆な展開になるとは思っても見なかった私は、喉の奥が潰れたような変な声を出してしまった。



だけど、今はそんなことに構ってる余裕もない。




友田の言葉を頭の中で復唱してみる。



それまでの会話の中でどの部分が友田に結婚を白紙に戻させたのか考えてみる。





ーーダメだ、全然分からない



思い当たるとすれば、私が最後に濁したコンプレックス


『母子家庭』『虐待された子』




それを話さなかったことを、信頼されていないと感じてしまったのだろうか



じゃあ、話す?



だけど、それを話して余計友田が負担に思ってしまったら………





友田に守られているという安穏とした生活にどっぷり浸かってしまった私は、この生活を失うことを怖れている。
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