【続】恋愛のやり直し方
「フフっ。そんなに慌てる時もあるんだね」



「ホント。心乱れることなんてそうそうないタイプなんだけど、綾にかかったらダメだね。

乱されっぱなし」



コツンと額を合わせてそう呟く



「ごめんなさい」



「綾が謝ることじゃないよ。それに、さっきのは、俺が説明不足なだけ。反省してる………」


乾きつつある頬の涙を指でなぞる友田の顔は、やっぱり困ったように目尻を下げている。




「泣かせて、困らせたばっかりだな。こんな顔させたい訳じゃないのに………。

さっきの説明するよ」



そう言って私を抱えあげる。



「キャッ。下ろして。自分で歩ける!」


「これは譲れない。大人しくして?」





バタツク私の体をもう一度抱え直し、再び歩き始めた友田。




は、恥ずかしすぎる。



真っ赤になった私の顔を見てクスリと笑う友田。




「もう!」



プイッと横を向いた私を、そっとソファーに下ろした友田は




「これで許して」と私の口に一粒のチョコレートを放り入れた。
< 53 / 486 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop