【続】恋愛のやり直し方
優しい眼差しで私を見つめる友田の視線がくすぐったくて、目線を下ろすとグッショリと濡れたシミ。


そのシミを挟むようにできた握りシワ。




あれ……確かこれ、先月友田が気に入って買った、ブランドもののスウェットだったハズ……


たかだかスウェットがそんな値段?って驚いた記憶がある。




それが、見るも無惨な……





「そんなこと気にしてんの?これは、俺にとっては勲章でしょ?」


「勲章?」




「っそ。綾が俺の前で感情をさらけ出してくれた。ね?」




言い終わらないうちに、私の体は再び友田の胸の中




「俺、泣いてた綾には申し訳ないけど、マジで嬉しい。ちょっと余韻に浸らせて」





背中に回された手にギュット力が加わり、より一層友田の体に密着する。




「綾はさ、一人で何でも抱え込み過ぎなの。まぁ、俺がちゃんと吐き出させてあげられてないのかも知れないけど。

今までもきっとそうやって生きてきたんだろうから、すぐには変われないかもしれないけど、少しずつ今みたいに吐き出してごらん?」
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