【続】恋愛のやり直し方
「………」


知り合いだったのかと聞かれるのが一番困る。

何の縁も所縁(ゆかり)もない、どう辿っても私までたどり着けないような人なら、何の躊躇いもなく「知らない」って言えるのに



あの人は、友田の叔母なのだ。



彼と関わり続ける限り、彼女との縁は切れない。



そう言えば、以前にもあんな目を向けられたことがあったな。と、記憶の端にあった私を冷ややかに見下す目を思い出した。


前の夫、実のご両親にご挨拶にいったときに向けられた目と同じだった。



あの時は、私が母子家庭だと言った瞬間に態度が変わったんだっけ………



どうやら、私の存在は、嫁にしたくない存在らしい。

なんて自虐的なことを考えていると、ペシっと額を叩かれた。


突然のことに驚いて目を見開き立花さんの方を向くと、クスクス笑ってる。



「相変わらずだね綾は。なにも変わってない」


笑っている立花さんの目は穏やかで温かい。



さっきまで向けられていた敵意むき出しの視線に凍りついていた心がゆっくりと溶けていく
< 86 / 486 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop