【続】恋愛のやり直し方
そうだった。

立花さんはこういういう意地悪いところがあるんだった。



最終的には助けてくれるんだけど………




「あのさ、今度は俺から聞いていい?これって、穏やかじゃないよね?」



そう言って立花さんが手にしたのは、テーブルに置かれた『森嶋綾に関する調査書』と書かれた紙。


もちろん私が置いたものではなく、緑風館の女将、腰越さんが置いていったもの。





その中身は全て腰越さんが解説してくれた。


自分でも知らなかった私の生い立ちに関する事実がいくつかあった。





それはきっと、母親が私を気づかって話さなかったことなのだろうと思う。


そんな母の気遣いが、こんなところで私に伝わってしまったことは、さぞや心外だろう。




私が友田と付き合っていなければ知ることもなかった事実。

そう思うと、母には申し訳なく思える。





「どうして、こんなことされてるの?」


質問になかなか答えようとしない私に、さらに質問をする立花さん。
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