縛鎖−bakusa−
 


リク君の小さな腕の中で、クマのぬいぐるみが真実を話し出した。



ドタンバタンと何かが床に壁にぶつかる音がして…

それから…



『グ…グアアアア……

きさま…何をした……グ…ハッ…』



『沢村ごめんな。

お前が死んでくれないと、ミカちゃんが俺の物にならないんだ。

大丈夫だよ。俺がミカちゃんを幸せにするから。

沢村なんかより幸せに出来るから。

ミカちゃんの為だと思って…死んで沢村…邪魔』



『ゲホッ…グッ…ア゙ア゙…』



『あれ?まだそんなに動けるのか。

一瞬かと思ったのにな…

珈琲の量に対して青酸カリの量が少なかったかな?』



『謙次…ユルサナ…イ…』



『あ…死んだ。

アハハッ!許さないだって。

死んだら何も出来ないのに、何言ってんだコイツ?

馬鹿じゃない?アハハハッ……………――――』





―――――…




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