縛鎖−bakusa−
「余裕じゃないよ。まだまだ緊張中だよ。
見れば見るほどカッコイイんだもん、悠紀先輩って!
あっ!先輩達もう来てる!
悠紀先輩ー!千歳連れて来ましたよー!」
先輩達二人は中庭のベンチに座り待っていた。
悠紀先輩じゃない方が潤一先輩。
その顔を見た事はあった。
美里に付き合って悠紀先輩の追っかけをしていた時に、
何回か見かけて目が合う事もあった気が…
心臓がドキンと跳ねた。
ハッキリ言って私好みの顔だ。
うちの学校は校則が緩く、髪を染めている子が結構いる。
極端な金髪とか赤や青じゃない限り、茶色くてもパーマをかけていても怒られない。
悠紀先輩も茶髪で少し長め。
いかにも俺はカッコイイと主張したい髪型だ。
私はそんなのより潤一先輩みたいな黒髪短髪に惹かれる。
一言で言うと爽やか。
切れ長の目に筋の通った鼻、歯磨き粉のCMの様に歯並びのいい口元。
潤一先輩は凄く私好みの顔だった。
心臓が煩いくらいに高鳴って、顔がトマトみたいに赤くなって行く。