縛鎖−bakusa−
「アハハッ 悠紀先輩にも苦手ってあるんですねー。可愛いー!」
「可愛いー?うっそ、これってポイント加算なんだ。知らんかった。
今度からオカルト嫌いアピッてこー」
慌てて皆の会話に意識を戻す。
霊体が見えるなんてバレたら…
始まりそうな恋は終わりだ。気をつけないと。
左隣に座りこっちを凝視している彼を完全に無視する。
「潤一ってさー」
悠紀先輩が私に向け友達をアピールし始めた。
その話しに集中しようとする。
霊力以外ごく普通の私をイイと言ってくれる、爽やかで素敵な潤一先輩について知りたいと凄く思う。
ニコニコと精一杯の可愛らしい笑顔を作り、悠紀先輩の言葉に耳を傾ける。
「潤一ってさー、運動神経スゲェのに部活やらないんだよねー。
俺、何度もバスケ部勧誘したのにー、拒否られ続けて丸ニ年。
千歳ちゃん、こいつが部活やらない理由なんだと思う?」