縛鎖−bakusa−
水谷徹は私がやるべき事を指示した。
『君に頼みたいのは、山本先生からノートを取り返す事。
クヤシイ…悔しくて堪らない…
俺の死はうやむやにされた。
受験勉強に行き詰まっていたんじゃない?ノイローゼだったんじゃない?
そんな適当な言葉で葬り去られた。
虐めは絶対悪。
それなのに俺を虐めた奴らは罰せられる事なく、何の反省もなく…のうのうと生きて、過去の罪さえ忘れている。
まるで俺の生きた17年が、初めから無かったかの様に…
……………………………………クヤシイ………』
水谷徹の目から涙が一筋流れた。
私は彼の言葉を復唱する。
「クヤシイ…」
彼の想いを背負った。
ノートは…必ず取り返す。
―――――…