偽り姫


ガチャ


「おはよー…」


返ってくる言葉はない
まぁ、いつものことだから気にしないけど…


「美紅!ちゃんと食べないといけないじゃない!」



「ママー!だって…」


「嫌いなものでも食べないといけないのよ」



もぅ、この光景を見るのも飽きた
この家だと、私はいないものとして扱われるから、この家にはあんまりいたくない。



「いただきます…」



なぜ、私が美紅みたいに両親から可愛がられなくなったのかは、わからない
私が思うに、可愛げがないからだろうと思う。


「ごちそうさま…」


「あれぇ?美玲もぅ食べたの?早いねぇ!」

「美紅!そんなのに話しかけなくていいのよー」

「でもぉママー!美紅、美玲と話したいしぃ?仲良くなりたいんだもん」


「まぁ、なんて優しい子なのー!あんたも美紅みたいに可愛い子に育って欲しかったわ〜」
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