星ふる夜に…
「ねぇ、ゆな?」
そろそろ緑が濃くなってきた5月中旬のこと。
いつもはこっそり持ち込んだ雑誌などを読んだり、他校の彼氏さんとメールのやり取りをして時間を潰している茜ちゃんが‘‘課題お片付け中’’の私に声をかけてきた。
おや、珍しい。
そう思いながら、2段ベッドの上段から見下ろす彼女を振り返った。
「なぁに?茜ちゃん」
茜ちゃんは、一瞬間を置いた後に
「あのね?決めつけてるわけじゃないから、違ったら違うっていってね?」
どちらかというと歯に衣着せぬ物言いをする彼女にしては珍しく、前置きをする。
なにかあったのかな?
少しばかり面食らいながらも私は「うん」とだけ答えた。
いったい何を言われるんだろう?
何も思い当たらなかったので、特に心構えもせず、首を傾げて待つ。
「細木先生と付き合ってたの?」