星ふる夜に…

……。


「ん?」


思わず聞き返す。

「あ、いや、噂だよ?ただの噂。ちょっと小耳に挟んだだけなんだけど、気になったからさっ」

焦っている茜ちゃんをぼうっと見つめる。

「ごめん…もう一度言ってもらえる?」

いま、なんて言った?茜ちゃん。

「え…?あ、うん。ゆなはさ、細木先生と付き合ってたこと、ある?」

今度はさっきより気楽な感じで茜ちゃんが言った。

「ぶふっ」
「ちょ、汚いよっ」

吹き出した私に、茜ちゃんは少し身を引く仕草をしてみせる。

「あはははは!」

豪快に笑う私に、きょとん、と、目を丸くする。
可愛いよね、茜ちゃんって。

「あるわけないじゃん!そんなこと」

明るく否定すると、少しほっとした様子の彼女は

「そうだよね。いや〜あんまり皆が真剣に話してたから、もしかして…?とか思っちゃったよっ」

はしゃいだ声を出す。

「もー。茜ちゃんたら、なんでそんなの信じたのー?」

お腹を押さえながらきくと

「だってー。細木先生が中学のとき、随分ゆなのこと、気にかけてたんだよ、とか、色々聞かされてさ?ついね」

ぺろりと小さくしたを出して肩を竦める。
本当に、この人は可愛らしい。

「なんだそれっ。みんなってどのみんな?」

涙を拭く仕草をしながらきいみた。
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