星ふる夜に…
「えー?ミオとかヤヨイとか?」

澪と弥生ちゃんは、私達と同級生だ。
澪とは中学のころから仲が良かった。弥生ちゃんはいかにも女の子って感じで、沢山の噂を集めてくる子。茜ちゃんとは小学生頃の友人らしい。

「その2人の言うことが本当なわけないじゃーん」

言いながら、問題集を閉じる。

「ごめんて。ヤヨイだけならそう思うけど、ミオが真剣な顔して言うからさぁ」
「澪もけっこう噂とか好きなんだよー?」

そう言うと、茜ちゃんは身を乗り出した。
わ、落ちるよ、危ないっっ。
という私の心配もつかの間、彼女はさっとベッドを飛び降りた。
この高さを音もなく飛び降りるのは、茜ちゃんの得意技だ。初めはとってもびっくりしたけど、今はもう慣れていた。

「そうなんだ!知らなかった」

会って2ヶ月弱だったらそんなものだろう。

「それにしても、突拍子がなさ過ぎて笑うしかないよ。それ」

改めて言うと、茜ちゃんは座っている私の後ろから抱きついて、

「ごめんごめん」

と謝った。

「いいけどさ」

彼女の細い腕に顔を埋める。
ほわり、と酸っぱいような甘いような香りがした。

< 7 / 18 >

この作品をシェア

pagetop