妖精デジタるーと
この世界に来ると不思議な気持ちになる。

自分じゃないみたい。


「今日は何しにルート通ってきたの?」

「音色に見せたいもんがある」


ここじゃ時間の感覚が遅くなる。
1日が48時間で、夜の時間が大半だ。

「ヘルメン可愛いー」

「か、可愛いって言わな…いで」

猫型吸血鬼は猫目だから怖いのばかりだが、ヘルメンは目が丸くて言ったら吸われるから言わないけど、赤ちゃんみたい。

そして可愛いと言うと、もう1人のヘルメンが出る。



「いつもの家じゃん」


空を飛んで連れてこられたのは、この世界に来たら住む事のできる、ヘルメンの城。

空間膨張のできる部屋だから、小さい入口を入ると内装だけ3階建ての城になる。

部屋は15部屋。

1つは音色の部屋がある。



「ねーヘルメンさん?奏斗はどこ行ったのー?」

「あいつは偉い人んとこ、俺はお前のお仕置きを任された。」

家に来ていきなりのお仕置き…。

「そこに寝ろ」


ソファーが階段を2段上ったスペースにある。


「うん」

寝っ転がると音色より小さいヘルメンが浮上力で浮きながら、頬を撫でる。

「今日はどこがいいかな…」


「できるなら〜吸わない方向で…」

「ダメだろ?言うことは聞かないと。」


「はい」

眠気が襲ってくる。

ヘルメンの小さな牙の生えた口が首筋に刺さった。


「んっ…」


血をどんどん吸われていく。

「も…むり…」


「大丈夫。死なねー程度に快感を与えてやる」


「こら、ヘルメンさん、中学生のを吸う時は手加減するように言いましたよね」


「あーそうだったか?」

「はぁはぁはぁ…」


気が無くなってくる。
ちょっとずつ瞼がおりる。

「音色…!音色!!」


ずっと叫んでる。

音色って、ヘルメンと奏斗が…。
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