妖精デジタるーと
出会ったのはこんな気まぐれだった。
コウモリだと思ったら、猫で。
猫だと思ったら吸血鬼だった。

そして、ただの人間だっただけ。

その2人とずっと一緒に居ることになった。
運命なんだって、思ったけどそうでもなかった。

奏斗が嫌いすぎて…。

…………好きで。


「音色〜話がある」

ヘルメンが人間界の神社に飛んできた。

「あれ、奏斗は?」

いつも聞いてしまう。
何故だか気になるが、嫌いな奏斗。
消えてたら…って思ってしまう。

「今日は魔界に居る、それより…」

可愛い顔のヘルメンが深刻な顔をして、神社に設置してある椅子に座った。
その横に音色も座る。

「何?」

「奏斗が消える可能性がある…」


「え…」

いつもうるさい音色のテンションは段々と下がってく。

「音色は奏斗の事嫌いだろ?」

「うん。大っ嫌い真面目なとことか、説教するとことかイラつくし…」

大きく風が吹いて巫女服と髪が乱れる。



「俺は消えて欲しくないから、お前に言うけど、奏斗の事を心の底からは嫌いになるな。
嫌いな思いが強すぎると奏斗は消えてしまう。
それも運命かもしれないが…頼む。」


心からお願いされてる感じだった。

ヘルメンが可愛い反応以外で、正直な態度取ってるのは初めて見た。


「大っ嫌いの上にはいかないから、大丈夫だよ。
私は奏斗を心の底からは嫌いにならない」


そう誓った。

「頼んだぞ」
< 6 / 13 >

この作品をシェア

pagetop