Midnight Day
「月夜はどこ行きたいー?」
「夢希に任せる。」
さらりと言い放った言葉に私はガクっとうなだれた。
「もう…月夜も一緒に考えて楽しもうよ…」
「俺が楽しみそうなところなんてあるか?」
……そう言われたら……
「……ない…かも。」
文化祭のパンフレットにはメイド喫茶や執事喫茶、ヨーヨーすくいやらビンゴ。
月夜が楽しめそうな場所は正直なさそうだった。
「だろ?」
「まぁ、でも楽しまなきゃ!ね?」
だって今日を最後に私が死ぬまで、月夜とは会えないのだから。
「とりあえず、腹ごしらえしよ!
普通の屋台で焼きそば売ってるし、買って食べよー!!」
私は月夜の腕を引っ張って走り出した。
「お、おい!
引っ張るなよ夢希!!」
なんて言いながらもイヤがらず一緒に走ってくれる月夜はやっぱり優しい。
そう思った。