Midnight Day


「佑斗…。」


今思った。
なぜ私は…佑斗と回ってないのだろう。
二人とも午前の作業だから、回ろうと思えば、一緒に回れた。


月夜が向こうの世界に帰ってしまうからそれまでに思い出を作りたいと言ったら、それも間違いではないと思う。


でも、佑斗と過ごせるのも…残り一週間なのに…。


「よかった、見つかって。」


「どうしたの?」


「岩本と一緒に文化祭回りたいなと思って。でも誘おうとしたら岩本、もういなかったから。」


「…あ…ごめん。」


すぐに月夜と回り始めちゃったから…。


「今からでもよければ一緒に回らない?」


「え…」


私は思わず月夜の顔を見た。


「行って来いよ。」


「でも…」


迷ってる私に月夜はため息をつくと、私の耳元で囁いた。


「佑斗に告白するんだろ?
その為にケーキ作りしてたじゃん。」


あ…
そうだった。
一生懸命愛情を込めて作った…ハート型のチョコケーキ。


「…うん。じゃあ行ってくるね。」


「ああ、行ってこい。」


月夜に後押しされ、私は佑斗と文化祭を回ることになった。


でもどうしても拭いきれない、胸のモヤモヤ。
私…一体どうしたの…?


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