Midnight Day


「何でだよ…。
俺は岩本が誰を好きでいようが構わない。潔く諦める。
…でも、お前はそれでいいのかよ!!」



「…」



「叶わないんだろ?
月夜さんに連れて逝かれて、それで終わりなんだろ?」


それはわかってる。
だからこそ、こんな感情に気づいてはいけなかったんだと思う。
佑斗の言ってることは、正しい。


でもね……


「私、ずっと恋愛に関して上手くいかなかったの。好きな人が出来ても、ずっと諦めて行動できなかった。…佑斗のこともそう。ずーっと諦めてた。」


「だからね、佑斗に告白されて素直に嬉しかったよ。ありがとう。
だから、今度は私が、月夜に伝える番だと思うの。叶わないってわかってるけど、最期に伝えたい、月夜に“好き”って。」



自分の気持ちに、もう嘘なんてつかない。
自分の気持ちは貫き通そう。


だって私の最期の願いは、恋をすることなのだから……


「…そっか。」


「うん、ごめんね佑斗。
そしてありがとう。」


佑斗はそれ以上何も言わなかった。
私たちは無言で教室に戻った──。




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